モラハラの慰謝料

前回の記事では、モラルハラスメントが原因で、離婚を検討中の方に対して、証拠の集め方、大まかな行程をお話しさせて頂きました。

今回は、慰謝料の話を中心にしていきたいと思います。
モラルハラスメントが原因で離婚に至る場合、ほとんどのケースで、慰謝料の請求が可能になります。
それは、離婚理由として「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に裁判で認められる必要があります。

気になる慰謝料の相場ですが、「50~300万」が一般的なようです。
モラルハラスメントは、精神的な暴力であり、目に見えるものでないため、証拠の集め方なども含め、違法性が認められるまでに少し段階が必要になってきます。
少しでもスムーズに進めるためにも、離婚が得意な弁護士を選択すると良いでしょう。

慰謝料の額は、以下の度合いにより、決まってきます。

・モラハラの回数、継続期間

・モラハラにより、うつ病の発症。精神疾患の重症化。

・夫婦の婚姻期間

・お互いの年齢、資産、収入

・子どもの有無

・財産分与の額

もちろん、回数が多かったり、継続期間が長期化しているほど、高額になる可能性が高いです。
また、夫婦の婚姻関係が長いのも有利ですね。

その中でも年齢や資産などは表を使ってみていくのがわかりやすいかと思います。

慰謝料の請求をする側(モラハラをされた側) 慰謝料の請求をされる側(モラハラをした側)
年齢 高い 高い
資産・収入 少ない 多い

以上の場合は、高額になりやすいです。

その他、モラハラをされた側に落ち度が全くないにも関わらず、モラハラが止まらないという状態が認められた場合も、慰謝料が高額で受け取れる場合が高いようです。

以上を踏まえて、出来る限り高額にするには、モラハラの客観的な証拠と、パートナーの財産を証明する資料が必要になります。しっかりと弁護士と相談しつつ、証拠を確実にしていきましょう。

慰謝料を請求する流れとしては、以前お話しした離婚の流れに沿う形になります。

離婚の流れとしては、

①協議離婚(話し合い)

②離婚調停

③離婚裁判

となりますが、①のときに、弁護士に相談していれば必要ありませんが、個人的に慰謝料の請求をする場合、「内容証明郵便」を使用して、請求する方法があります。

内容証明郵便とは、「いつ」「どのような内容の文書を」「誰から」「誰宛に」差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって日本郵便が証明する制度です。

日本郵便URL
https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/syomei/index.html

法的な効力はありませんが、心理的に与える影響は大きいでしょう。
しっかりと返信をもらうためにも、穏やかではありつつも毅然とした文面を保って送りましょう。
例えばですが、「〜してくださいね」ではなく「〜してください」というようにです。

・事実関係

・精神的苦痛の程度

・慰謝料を請求する意思と金額

・支払い期限

・振り込み口座

・要求に従わない場合、法的手段に出る意思

を記載します。

ここへきて、なお離婚を迷われている方もいらっしゃると思います。モラルハラスメントを受けやすい方は、あと一歩が踏み出せない方も多いでしょう。
パートナーに「もう大丈夫だから、これからは改心するから」と関係修復を求められたり、まだ小さい子どもがいる場合、今後の成長への影響を懸念されたりするでしょう。

片親がいなくなることにより、子どもに経済的な負担や、精神的に寂しい思いをさせてしまうことに不安を感じていらっしゃる方も多いです。
しかし、親のDVを目撃することを「面前DV」と言い、虐待の一種として捉えられています。

また、母親が恐怖に陥れられている状況を毎日目撃することは、恐怖でしかなく、その物々しい雰囲気や緊張感に晒されることは、悪影響であると断定出来るでしょう。
もしかしたらモラハラ自体が、子どもに向くこともあるかも知れません。普段からパートナーに支配されていれば、それを見て見ぬふりをしてしまう状況になりかねません。見て見ぬふりだけではなく、直接モラハラ加害者になってしまうこともあり得ます。
子どもの精神的な傷の深さは、計り知れないでしょう。大きなトラウマとなり、将来、モラハラをする側になってしまうこともあります。

このような悪影響を考えて、慎重に判断していきましょう。

更に、難しいのが、モラハラやDVをする人は、離婚に向けて動こうとすると、一転して「これからは改善するので、思いとどまって欲しい」と関係修復を希望し、謝罪してくるケースが多いようです。

モラハラの改善は、簡単なものではありません。

今までパートナーが私に対して行ってきたことは、当たり前に習慣になっています。果たして、同じ生活に戻った後、心を入れ替えて、接することが可能でしょうか。
パートナーが真摯に向き合ってくれて、一緒に病院へ通う努力をしてくれるでしょうか。

人間の心は、簡単な方へ動いてしまいます。周りの援助がずっとあるわけではないので、もし無くなった時、対等に接してくれるでしょうか、また自分自身が恐怖を持たずに接することができるでしょうか。
モラハラは状況により、改善しないわけではないです。ただ、人生は有限です。果たして一緒にいることがお互いにとって、幸せなことであるかどうか、しっかり判断していきましょう。

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