中絶の慰謝料を請求する方法(2)

前回の記事では、中絶に対して慰謝料を請求する方法を解説しました。
その中で、中絶を行った際にかかる手術費などの費用の補償も気がかりな方も多いでしょう。

この記事では、中絶を行った場合に請求できる慰謝料以外の費用を解説します。
さらに、妊娠した途端に中絶を求められ、その上で一方的に婚約破棄や別れを告げられてしまったときの慰謝料。
また、自己判断で中絶した場合や、未成年が中絶を行った場合についても一緒に紹介します。

慰謝料以外に請求できる費用

中絶手術の費用

性交渉が合意の上で、中絶も話し合いで決めた場合、相手に請求できる費用は基本的に半額です。
ただ、女性側への精神的・肉体的の負担を考え、全額を男性側が支払うというケースも多いでしょう。

中絶費用の相場を紹介します。病院や、妊娠期間によって費用が変わりますので、あくまで参考程度にとどめておいてください。

1,妊娠11週未満:8~15万円
2,妊娠12週~22週未満:20~40万円

妊娠中の診療費

手術の費用以外にも、妊娠中にかかる諸々の費用も請求できる可能性があります。

・診察に行くためにかかる交通費
・手術の際の入院費
・妊娠により会社を休んだ場合の休業損害費
・後遺症が残ってしまった場合には後遺症についての慰謝料と治療費

このすべてが必ずしも請求できるわけではありません。ですが、中絶に関連する費用としてひとまず請求を検討をしておくといいでしょう。

したがって、これらの費用が発生しているのであれば、領収証、診断書、休業証明等を忘れずに確保しておくといいでしょう。

婚約中・事実婚だった場合の中絶と関係解消で請求できる慰謝料
婚約中でも妊娠した途端中絶を求められ、一方的に婚約破棄や別れを告げられてしまうことがあります。

この場合、精神的な負担がさらに大きくなりますので、慰謝料をより多く請求するべきです。

婚約破棄してきた相手への慰謝料が高額になるポイント

正当な理由もなしに一方的に婚約を破棄することは不法行為です。

基本的には、婚約破棄によって支払う慰謝料の相場は50万円~150万円です。
ですが、場合によっては慰謝料は高額になる可能性があります。
主に以下の場合です。

・婚約期間が長い
・婚約破棄に正当な理由がない
・両親・親族に紹介している
・結婚の準備が進んでいる
・職場を寿退社している
・結婚指輪を送っている
・同棲をしている
・婚約を破棄された方が今後の交際・結婚・出産が困難になっている
・精神的苦痛によりうつ病などになっている

自己判断で中絶した場合の慰謝料は?

自己判断で中絶した場合でも、中絶費用の2分の1を請求することはできるようです。
ただ、この場合病院の領収書などの証拠がないと、本当に中絶をしたのか疑われる可能性があります。

また、自分で勝手に中絶を決めてしまうと、支払いを拒否されてしまう可能性があります。
ですので、相手に知らせるメールで一言中絶しますなど連絡を入れて、文章を証拠として残しておくといいでしょう。

未成年が中絶した場合に知っておくべき基礎知識

もし、未成年が妊娠してしまった場合、これは本人同士だけで解決できる問題ではありません。

妊娠した本人はまず、素直に親に伝えることが必要です。そして今後について当事者や親と話し合うことが大切でしょう。

中絶に親の同意は必要?

中絶を受ける本人とその配偶者の同意があれば、手術を受けることが可能です。
これは、母体保護法で定められています。
ですので、未成年であっても法律的に保護者の同意は必要ありません。

ただ、現実問題として親権者の同意無しで中絶手術を受けることは難しいでしょう。
なぜなら多くの病院は、身体や精神へかかる負担の大きさから、未成年者の中絶手術に親権者の同意を必要としているからです。

慰謝料は請求できるのか?

妊娠した方が未成年だからといって、それだけで慰謝料を請求できるとは限りません。
妊娠させた相手も未成年で、なおかつ合意の上での性行為であれば慰謝料請求は難しいでしょう。

ただし、相手が成人男性であるならば話は変わります。
成人男性と交際していた未成年の女性が妊娠し、中絶した場合に慰謝料の請求が認められた判例は少なくありません。

慰謝料が認められた要因は以下の通りです。

女性が未成年であること
お互いの関係では、妊娠しても結婚・養育はできないと分かっているにもかかわらず避妊しなかったこと
年齢を考えれば、避妊をする責任は男性側にあったのに、それを怠ったこと
手術や体調不良による欠席で進級できずに転校せざるをえなかったこと

中絶後に考えられる後遺症

中絶はどのような方法であれ身体的・精神的な負担が大きいために、様々な後遺症が残ってしまう心配がありますよね。
以下、後遺症でおこりうる症状を紹介します。

中絶後遺症候群(pas)
子宮の損傷
不妊になる
次の妊娠で流産の危険性が高まる
学校に妊娠・中絶したという噂が流れてしまい、転校せざるをえなかったり、目標としていた進路を諦めなくてはならない状況になる

今回は、中絶の慰謝料の請求方法などについて解説しました。
中絶の慰謝料は、あらゆる状況や条件が考慮されますので、確実に請求できるわけではありません。
また、婚約していないただの彼氏彼女の交際関係の場合は裁判を起こしても高額な慰謝料は認められない場合が多いでしょう。

ですが、状況によっては多額の慰謝料を請求できる可能性があります。
ですからまずは、男女問題に強い弁護士に相談しましょう。

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