マザコン夫と離婚したら慰謝料は得られる?

夫が、家庭よりも母親を優先させたり、「母親は絶対」を信条とするいわゆるマザコンの場合、だんだん愛情が薄れてしまう要因になります。
また、夫に甘い義母に対しても嫌悪感を抱いたり、関係を維持することに疲れてしまいます。

そうなると、「離婚」という言葉が頭をよぎってしまうかもしれません。
ですが、具体的に離婚のことを考えると、「夫のマザコンを理由に離婚できるのか」、「慰謝料はもらえるのか」と不安になりますよね。

今回のコラムでは、夫のマザコンを理由に離婚する際に知っておきたい基礎知識を解説します。

まず、マザコン夫の特徴としては、以下のようなものがあります。
自分の夫が本当にマザコンかどうか、チェックしてみましょう。

マザコン夫の特徴

・自身の重要な問題・夫婦間の問題でも母親の意見を求める

・夫婦喧嘩のことを母親に話して母親の支援を求める

・妻の意見より母親の意見を優先し、妻にも従うよう強要する

・緊急時でもないのに妻子の用事より母親の用事を優先する

・夫婦の旅行にも母親を同行させる

・会話の内容が母親のことばかり

・母親の料理と妻の料理を比較する

・母親の近くにいようとする

家事全般が苦手な夫ですと要注意ですね。
母親が息子に対して献身的な愛情を注ぎ、「身の回りのことは全部やってあげる」状態で育ったマザコン夫は、家事全般ができないことが多いです。
そして、母親と同じようにすることを妻にも求める傾向にあります。

今の世の中、コミュニケーションの量は目に見えて把握できます。メールや電話、ラインなどが夫からも母親からもどちらからも多い場合は、妻よりも母親の方を信頼している可能性もあります。

実家の雰囲気も重要です。
母親中心で物事が回り、父親の存在感が希薄であれば、夫は母親からの影響を大きく受けた可能性があります。

「夫のマザコン」で離婚は可能か?

夫が離婚に同意しない場合、裁判所に離婚を認めてもらう必要があります。
裁判所が離婚を認めるためには、法律で定められた離婚事由が必要となります。

マザコンを理由とする場合には、夫の言動が「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当することを主張していくことになります。
夫のマザコンのみでこの「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すると認められるハードルはなかなか高いです。そのため、マザコンのみを理由に離婚を求めることは基本的には難しいものの、別居をしてある程度の期間が経過していれば、そのことも加味されて、裁判で離婚が認められる可能性はあります。

裁判で主張をしていくためには、証拠を集めておく必要があります。姑の過剰な干渉やそれに迎合する夫の言動等に関しては、できる限り証拠に残しておくと良いでしょう。
具体的には、姑から過剰な干渉を受けた内容や嫌がらせの事実、夫のマザコン言動と態度を改めるよう何度も頼んだのに変わりがないことについて、LINEのやり取りを残したり、録音を残したりしておきましょう。

離婚の際に夫や義母に対して慰謝料請求は可能か?

さんざん我慢を重ねて婚姻生活を継続していた場合には、離婚時に慰謝料を請求したくなると思います。
また、義母から嫌がらせを受けてきた場合には、義母に対しても慰謝料を請求したいのではないでしょうか。

ここでは、マザコンを理由に離婚した際に慰謝料の請求が可能か解説します。

一定の場合には慰謝料請求が可能

残念ながら、一般的な「マザコン」の言動のみを理由とした慰謝料請求はハードルが高いです。

もっとも「妻が義母から日常的に暴力や暴言を受けているにもかかわらず、マザコン夫が義母に味方してまったく状況を改善してくれなかった」というようなケースで、妻が精神的に参ってしまって婚姻関係の継続が困難になったなどの事情があれば、夫にも義母にも慰謝料を請求できる可能性はあります。

ただ、慰謝料を請求される側は、対象となっている言動自体を否定する可能性が高いので、しっかりと証拠を確保していることが前提になります。

離婚を切り出す前に弁護士に相談をし、十分に準備しておけば、離婚に向けて、スムーズに進めやすくなります。

マザコン夫や義母から強いストレスを感じており、しんどい・イライラしてしまう人は、カウンセラーへの相談も検討してみてください。

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