離婚をしたいと思ったら別居という形でまず離れましょう

もう一緒に暮らせない!絶対に離婚したい!そのような感情にとらわれてしまってなかなか抜け出せないときは、別居をしてみることが、ひとつの解決策になるかもしれません。

別居=離婚と考えられがちですが、配偶者から離れることでお互いの大切さを知り夫婦関係が修復するケースも珍しくありません。

また、離婚の方向になった場合でも、収入が配偶者よりも少なければ、別居中に婚姻費用を請求しながら離婚の準備を進めることも可能になる等、メリットがいくつかあります。

今回の記事では、大切な人生の決断をするにあたって、「別居」という事実がもつ法的なメリットを紹介します。

別居から離婚するメリット

離婚前に別居するメリットを紹介します。離婚する前に別居するべきか迷っている方は参考にしてみてください。

距離を置くことでお互いが冷静になって話を進められる

一緒に住んでいるとけんかばかりになる夫婦の場合、別居した方が早く離婚しやすいものです。

夫婦が同居したままでは、その距離感の近さから諍いが増えてしまいがちです。

そうなってしまうと、離婚協議を進めようとしても、スムーズに進めにくいでしょう。

別居すると相手と離れて生活できるので、お互いに冷静に話を進めることができます。

相手が離婚に応じないケースでこちらの意志の強さを伝えることができる

こちらとしては離婚したいのに、相手が応じてくれないケースも少なくありません。

別居という具体的な行動をすると「真剣に離婚を望んでいる」気持ちが相手に伝わります。

そうすると、相手もこちらの離婚の意志が強いことを認識するため、離婚交渉がスムーズに進みやすくなります。

精神的ストレスからの解放

別居をしないと、なにより大変な精神的ストレスがかかります。

離婚したい相手と同居しているわけですから、顔を見るたびに嫌気がさしてしまうのは当然のことですよね。

別居してしまえばそんな精神的なストレスからも解放され、日常生活や仕事に専念しやすくなります。

婚姻費用の獲得で離婚前に貯金が作れる

配偶者より収入が少ない場合、別居期間中に生活費(婚姻費用)を請求することがでるのが通常です。

婚姻費用を獲得しながら、自分の収入を頑張って上げることで、新たな人生のための貯金が作れる可能性があります。

離婚理由になる

日本では、同意があればどのような理由でも離婚できます。しかし、相手が離婚に同意せず、裁判になったときには、法律上で定められた理由に該当していないと、離婚が認められません。

民法770条1項5号では、離婚が認められる理由のひとつとして、「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」と定められています。

別居の期間が長く、夫婦関係の修復が難しいと客観的に判断されるような場合、この事由に該当すると判断される可能性が高くなります。

そのため、離婚したいけれども相手がなかなか同意してくれそうもない場合には、別居が離婚するための重要なポイントになります。

落ち着いた環境でこれからのことについて考えられる

一度離婚が頭によぎると、配偶者に何と言われても離婚のことで頭がいっぱいになってしまうことでしょう。

別居して距離をとることでお互いに冷静になり、今までのことを振り返ったり、今後のことを考えたりできます。

また、物理的に離れてみることで配偶者への愛情や大切さに気付くこともあります。

 

別居の手順

別居するなら、以下のように進めましょう。

①お金を貯める

物件を借りたり、引越しをするのにお金がかかります。

当面の生活費も必要なので、可能な限り別居前にお金を貯めましょう。

②引っ越し先を決定する

賃貸住宅に移るのか実家に戻るのかなど、引っ越し先を決定しましょう。

③仕事を探すなど、生活費を確保する

別居したら婚姻費用を受け取れるとはいっても、受け取れるまでに時間がかかる可能性がありますし、婚姻費用だけで生活するのは難しいケースがほとんどです。

仕事を探して生活費を得る手段を確保しましょう。

④引っ越し

引っ越し業者を選定・依頼して、引っ越しを済ませます。

⑤住民票の異動

引っ越しをしたら住民票を異動しましょう。離婚前であっても基本的には現住所地に住民票がある方が便利です。

ただ、住民票を移すと、配偶者が転居先を把握できるので、注意してください。

DV案件の場合は、住民票を異動しても相手に閲覧させないよう伏せてもらえる手続きを利用できます。必ず役所にDV案件であると告げ、閲覧制限をかけてもらいましょう。

 

これまで、別居のメリットについて説明してきましたが、もちろんデメリットもあります。

そのひとつが、間違った方法で別居してしまうと、「悪意の遺棄」として、離婚の原因を作ったと考えられてしまう恐れがあることです。

具体的な状況や立場に応じて最適な対処方法が異なりますので、別居前に弁護士からアドバイスを受けておくと安心です。

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