親権者になるために。基本的な5つの条件

未成年の子どもがいる場合、離婚届に親権者の記載がないと受理されません。そして、離婚でもめるのが「親権」で、裁判となるケースも少なくありません。裁判所の司法統計データによると、親権を取るのは約9割が母親ですが、母親なら絶対に親権が取れるというわけではありません。ここでは、親権者となるための基本的な条件についてお伝えします。

親権とは、いったい何?

「離婚後、さみしいので子どもと一緒に住みたい」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、親権とは「子どもと一緒に住む」ための権利ではなく、未成年の子どもに対する親の責任や義務のことです。婚姻中は父親と母親が共同で行います(民法818条3項)。そして離婚後は、親権者をどちらかに決めなければ離婚できません(民法819条1項、2項参照)。

親権を獲得するための基本的な条件

協議離婚の場合、親権はどちらがとるのかを話し合い、双方納得ができれば特に「条件」はありません。
しかし、今まで子育てを全くしてこなかった人が親権を取り今までと同じレベルの子育てができるほど、子育ては簡単なものではありません。
子どもの将来を第一に考え、どちらが親権を取るべきなのかを検討しましょう。
ここでは、調停や裁判の時に考えられる「条件」を前提にしています。

条件1.これまでの実績

今まで子育てを中心に行ってきたのは誰ですか?特に、既に夫婦が別居している親の場合、現在子の監護を担っている親の方が、親権獲得には有利です。

条件2.今後の監護体制の見通し

離婚後の監護体制も重要な考慮要素となります。適切に子の監護を行える体制があるかどうかどうかはとても重要な内容です。相手よりも自分の方がどうして的確なのか、調停委員等に積極的にアピールしましょう。
条件3.子供と一緒に過ごす時間が十分に持てること
特に子供が幼少期の場合は、子供と一緒に過ごせる時間が多い方が、子どもの望ましいとされています。職場との調整や、家族・保育所の協力を得ながら、子供との時間も大切にできることをアピールできると良いかもしれません。

条件3.親権者が心身ともに健康であること

最も大切なことは、親権者が心身ともに健康であることで、親権者決定に考慮されるポイントです。健康状態が悪いと、子どもの監護が行えるのか、親権者としての適格性を不安視される可能性があります。親権者が病弱な場合、子どもはヤングケアラーになりかねません。健康状態に関しては、最も大切なことのひとつです。

条件4.経済状況が安定していること

子供の学費や生活費など、養育していくために必要な収入が安定して得られる経済力も考慮の大切な要素です。もっとも、収入が少なくても養育費でカバーできる部分はあります。また、各種制度を活用も可能です。養育費や制度の活用も合算し、今後の生活設計をしっかり立てておくことも大切です。自分の収は収入が少ないと思われる場合でも、親権を諦める必要はありません。

子どもの意思と、その他の事情が重要

離婚後の環境によって、子どもには様々な影響が出ます。子どもが望まないこと、他にも様々な観点から、考えることが大切です。

①子どもの意思

親権を決めるにあたっては、子ども自身の意見も当然重視されるべきではないでしょうか。子どもの発達段階に応じて、子どもの意向の重みは変化します。特に満15歳以上の場合、家庭裁判所は子どもの意見を聞かなければいけないことになっています。

②年齢・兄弟関係

乳幼児については、母性の存在が情緒的成熟のために重要であるとの考えから,母親が親権者として指定されるケースが多くあります。このほか,兄弟姉妹がいる場合には、基本的に兄弟姉妹は引き離さず、一緒に育てることが良いとされています。

③父親、母親との結びつき

親の監護実績とも関連しますが、子どもと親の心理的結びつきは、子どもの健全な成育に重要な要素と考えられます。時間だけで判断されるものではありませんが、今までにいかに一緒に過ごしていたか?は大きな要素と言えます。 いかに今までかかわってきたか。これはかなり重要になります。

④従来の環境への適応状況

子どもの安定的成長を考えたとき,離婚に伴う子どもへの影響が小さいに越したことはありません。
子どもの遠方の引っ越しなどは、生活環境が変わり子どもヘの負担が大きいと考えられます。そのため、今の生活圏内で住める方に親権が認められる場合もあります。

まとめ

親権者になるために、協議離婚の場合は特に条件は必要ありません。しかし親権の獲得で調停や裁判になる場合も多々あります。
ただ「子どもと住みたいから」ではなく、子どもの将来をしっかり考えましょう。
そして、親権を獲得した時には、子どもの将来を一番に考え、子どもとともに生活していきましょう。

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