偽装離婚とは?どういった目的で行うの?

ニュースなどで「偽装離婚」という言葉を聞いたことはありませんか?
偽装離婚とは、法的に婚姻関係を解消したものの、実態は婚姻関係を継続していることを指しています。

離婚しているものの同居していたり、休日は二人で出かけたりして、事実上では離婚前と同じように夫婦生活を行っている状態のことですね。

夫婦関係が良好であれば離婚の必要性はないと思われますが、なぜ偽装離婚をする人がいるのでしょうか。その理由はいくつかあります。
今回の記事では、そんな偽装離婚の目的について解説していきましょう。

偽装離婚の目的

一見なんのために行うのかわからない偽装離婚には、大きく分けて4つの目的があります。

①優先的に保育園に入園させるため
②生活保護や児童扶養手当などの不正受給
③財産分与などによる節税
④自己破産前の財産隠し

①優先的に保育園に入園させるため

保育園に入園する際には、基本指数と調整指数と呼ばれるものがあります。

多くの自治体でこの点数制は導入されており、点数が高ければ高いほど入園しやすくされています。

しかし、申し込みをする保護者の大半が、「父と母両者がフルタイムで働いている」「預けられる祖父母が遠方に住んでいる」など、加点となる事情をどの家庭も抱えており点数は拮抗しています。

そのため、より入園しやすくなるよう少しでも加点をしたいところですが、それには就業や託児の実績が必要です。認可保育園に入る前から父母両者が働いているなど、やむを得ない理由などで子供を預けていたという過去の事実が加点対象になるからです。

この日本の待機児童の問題点が、夫婦を偽装離婚に走らせる一つの要因となっています。
シングルマザーは基本指数が高く入園率がぐんと高まるからです。

偽装離婚でシングルマザーになれば、実際には家族が揃って暮らしていても書面上で離婚が成立していれば、入園審査ではシングルマザーだとみなされます。

ですが、偽装離婚したからといって、必ずしも保育園に入園できるわけではないことを覚えておいてください。
シングルマザーは確かに指数が高いのですが、その他にも基準がありますので、他の条件を満たしていない場合は点数不足になる可能性もあるのです。

②生活保護や児童扶養手当などの不正受給

ひとり親家庭の場合には子どもに対する各種手当を受給することができます。各種手当は、収入制限などもあり、思うように国や自治体から子育ての費用を受給できません。

偽装離婚をする人の目的の多くは、こういった国や自治体から子育ての費用を受給することや、ひとり親になることで各種費用を免除することです。

例えば生活保護は、家族に頼れる人がいないことや、収入が一定以下で就労できないなどの条件があり、結婚して配偶者に一定の収入があれば受給できません。

また、児童扶養手当もひとり親が対象になるため、配偶者がいると受給できなくなってしまうため、戸籍上の籍を抜きひとり親になる必要があります。

生活に苦しくなんとかお金を手に入れたいと考えている方や、配偶者が生活費を家庭に入れてくれない場合など、様々なケースでお金のために偽装離婚をする夫婦がいるでしょう。

③財産分与などによる節税

金銭の贈与がある場合、贈与税や所得税などの税金が発生します。しかし、離婚時の財産分与や慰謝料の支払いには贈与税などが発生しません。

財産が多ければ多いほど、普通に死亡し相続が発生した時、莫大な相続税が生じてしまいます。

相続税はもちろん遺族が支払うことになりますが、莫大な相続税の支払いを回避するために、偽装離婚により財産分与や慰謝料という名目で贈与してしまうケースがあるのです。

④自己破産前の財産隠し

偽装離婚をする人の中には、借金を抱えて、債務整理をする際に自己破産をしてしまえば全ての借金がなくなると考える方がいます。

自己破産では、自分の持つ財産を処分する必要があります。
車や家はもちろん、貯金があれば貯金も差し押さえ対象です。どんなに借金が多くても、子どもを抱えた方なら、将来のために自己破産するわけにはいきません。

しかし、財産をできるだけ多く残すために、財産分与や慰謝料として配偶者に財産を渡してしまい、処分される財産を最小限にとどめようとする人もいます。

つまり、偽装離婚さえすれば自己破産がしやすくなってしまうのです。

まとめ

離婚後に同居したり、出かけること自体違法ではありませんが、その延長で虚偽の事実を申告して利益を得たり、脱税したりする行為は犯罪です。

偽装離婚によって国や自治体の給付金を不正受給をすることで楽になりますが、自分だけでなく子どもや元配偶者にも大きな損害を与えることになります。

もし、少しでも得をしたいと偽装離婚を考えているのであれば、子どもの将来・自分の将来をよく考え、絶対にやめましょう。

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