不妊によって離婚を切り出す前に

前回の記事では、不妊を理由に離婚は成立するのかをテーマに、不妊によって離婚をしてしまうケースなどを紹介しました。

今回は、不妊によって離婚を切り出す前に、不妊離婚を切り出す際に注意すべきこと知っておいてほしいことを紹介します。

不妊離婚を切り出す際に注意すべきこと

妻に対して不妊離婚を切り出す場合には、以下の点に注意が必要です。

(1)不妊離婚を切り出すタイミング

夫婦で子どもを望んでいたにもかかわらず、妻に不妊の原因があり、子どもを授かることができないという場合には、妻も相当な精神的ショックを受けています。
逆もまた然りで、夫の場合は男性としての尊厳が傷ついている事が考えられます。

そのような状況で、不妊の原因が相手にあることを理由として離婚を告げられると、相手が精神的にダメージを受け、うつ病を発症してしまったり、最悪のケースでは自殺をしてしまったりという事態が起きる危険性があります。

そのため、不妊離婚を切り出すタイミングは、不妊の原因が相手にあることが判明した直後などは避けるようにし、お互いに落ち着いて話し合いができるタイミングを待つべきです。

(2)相手を傷つけるような言動をしない

不妊の原因にはさまざまなものがありますが、相手の体質が不妊の原因である場合には、相手の努力ではどうにもならない部分です。
それにもかかわらず不妊の原因を執拗に責めるような言動をされると相手は精神的なダメージを負ってしまいます。

また、暴言やモラハラを理由として離婚時に相手から慰謝料請求をされてしまう可能性もありますので、相手を傷つけるような言動をしないように気をつけましょう。

(3)冷静になって話し合いをする

不妊離婚は、どうしても感情的になってしまいがちな、デリケートな話題です。感情的になった状態では、離婚をするかどうかや離婚をする際の条件などについて落ち着いて話し合いをすることができません。

よって、できる限り冷静になって話をすることが大切なことのひとつとなります。

冷静な話し合いが難しいという場合には、当事者同士の話し合いではなく、弁護士を介して話し合いを行うというのも有効な方法です。

(4)何度も話し合いの機会を持つ

離婚の話し合いを何度も行うのはストレスですので、早期に決着をつけてしまいたいと考えるのも自然なことです。

離婚を切り出す側は、時間をかけてよく考えた結果、離婚を決断したと思います。
ですが、突然離婚を伝えられていますので将来のことも含めて十分に整理ができていない状況です。

そのため、一度の話し合いだけで結論を出すのではなく、時間をかけて、何度も話し合いの機会を設けながら、離婚に向けて話し合いを重ねましょう。

不妊離婚を回避するために

不妊に悩んでいても、離婚を考える夫婦ばかりではありません。
そんな理由で離婚したくないという夫婦も数多くいらっしゃいます。

そんな悲しいジレンマに苦しむこともあるでしょう。

不妊離婚を回避するために、以下のような方法を検討してみるとよいでしょう。

(1)養子縁組、里親制度

里親制度とは、何らかの事情で子どもを育てられない親に代わって子どもを預かり、養育していく制度です。

養子縁組をすれば、あなたたちご夫婦が預かった子どもの親権者となります。

子どもに恵まれずに不妊治療を長期間続ける夫婦がいる一方で、望まない妊娠で人工中絶せざる得ないケースや、生まれてから虐待を受けている子どもも存在しています。

不妊の原因が妻にあり子どもができないという場合には、何らかの事情で子どもを育てることができない親に代わって子どもを引き取ることも検討してはいかがでしょうか。

また、「特別養子縁組」を結ぶことも可能で、この制度を利用することによって、実親との親子関係は解消し、新たに養親との間で法律上の親子関係が生じることになります。

戸籍にも実子と同じように「長男」や「長女」などと記載されますので、より心理的な距離が縮まることでしょう。

(2)子どもを持たない選択

子どもを授かることができないことが分かった場合には、もうひとつの方向性として、子どもがいなくても夫婦で幸せを築くことはできるということも考えてみてはいかがでしょうか。

子どもを持つことが夫婦の幸せとは限りません。子どもありきに考えてしまっている場合には一度、子どものいない夫婦にも目を向けてみてください。

子どもがいなくてもお互いを信頼し幸せに暮らす夫婦もたくさんいることに気がつくはず。

また、子どもを持たないことによって、夫婦だけの時間を楽しむこともできますし、経済的にも余裕のある生活を送ることができますので、旅行や趣味などを楽しむこともできます。

子どもにお金や時間をかけるのではなく、夫婦2人の時間を楽しむというのも幸せの形のひとつかもしれません。

まとめ

不妊はとてもデリケートな問題です。それだけに、離婚を考え始めると、深い悩みやジレンマに苦しむことが多いです。

夫婦の形として子どもを持つことだけがすべてではありません。不妊は2人で協力して、お互いの将来について冷静に考え乗り越えていくべき問題です。

しかし、それでも離婚をしたいのであれば、話し合いを重ねて相手を説得する必要が出てきます。
トラブルを回避するためにも、弁護士の力を借りましょう。

離婚解説書TOP

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

YouTube配信中
元気が出る離婚弁護士 森上未紗のチャンネル 離婚の知識や解決事例など配信中!