再婚禁止期間に違反すると?

前回の記事の続きです。

女性の場合再婚禁止期間(さいこんきんしきかん)が民法によって100日間設けられていると解説しました。

民法で禁止されていると聞くと、万が一再婚禁止期間中に再婚した場合には、罰則があるのかどうなのか気になる人もいるかもしれません。

再婚禁止期間を守らなかったときに罰則はあるの?

結論、万が一、再婚禁止期間中に再婚できたとしても、法律上の罰則はありません。

そもそも、再婚禁止期間内に役所に婚姻届を提出しても、受理してくれないので法律上再婚できません。

仮になんらかの手違いで婚姻届が受理されてしまった場合でも、摘発や逮捕されたり、罰金を請求されることもないのです。

事実上、父性推定が重複する期間に子が生まれた場合には、子の父親が前婚の夫なのか、後婚の夫なのかの特定が困難になるという不利益があります。

再婚禁止期間を守らなかった場合に被るリスク

ですが、リスクがないわけではありません。

再婚禁止期間を守らなかった場合に、以下のようなトラブルや、本来する必要のなかった手続きが発生するリスクがあります。

子供の父親を裁判所に判断される場合がある

再婚禁止期間に違反しても罰則はありませんが、再婚後に子供が生まれた場合は大変困ってしまうリスクがあります。

もしも再婚禁止期間中に再婚し、その期間中に子どもが生まれた場合、子どもの父親は、元夫・再婚後の夫のどちらなのかを裁判所に判断されます。

この場合、父子関係を科学的に判断するためにDNA鑑定を行い、その結果を踏まえて父親が決められます。
再婚禁止期間さえ守っていれば、もちろん裁判の必要などはありません。

たとえ当事者の間では父親がはっきりしていても、裁判を起こして父親を決めてもらわなければならないのです。

罰則がないとはいえ、手間や時間がかかる点からすると、守らない場合のデメリットは非常に大きいといえます。

子どもが無戸籍になる危険性がある

元夫との離婚後に別の男性との子どもを妊娠し、再婚禁止期間中に出産した場合、その子どもが元夫との子でないことが明らかだったとしても、戸籍上は元夫との子と記載されてしまいます。

子どもが戸籍上元夫との子となることを避けるために出生届を提出しなかった場合、子どもは無戸籍となってしまいます。

あまり現実味の無い話と感じるかもしれませんが、無戸籍だと、生きていくために必要な行政サービスをすぐに受けることができません。

残念ながら、現代の日本においても無戸籍の子どもは存在します。子どものためにも再婚禁止期間はきちんと守ること、そして正確に確認しましょう。

再婚禁止期間中に婚姻届が誤って受理されることもある

前述したとおり、そもそも、再婚禁止期間を無視して婚姻届を提出しようとしても、原則窓口で受理されずに返されてしまいます。
しかし、絶対は無いので、人的ミスなど何らかのトラブルがあり、誤って受理されてしまう可能性もあります。

万が一、再婚禁止期間中に婚姻届が受理されてしまった場合に、前項のようなトラブルを避けるために婚姻届を取り消したいという場合には、取り消し請求を行うことも可能になっています。

ただし、取り消し請求をする時点で再婚禁止期間が終わっている、または再婚後に女性が出産していたりするケースでは、取り消しすることはできません。

「元夫との関わりをできる限り絶ちたい」という強い希望がある人は特に、婚姻届の提出時点で再婚禁止期間が終わっているかどうかをしっかり計算して確認しましょう。

再婚禁止期間が確実に終わってから婚姻届を提出すれば、余計なトラブルを極力避けることができます。

罰則はなくても調停や裁判といった面倒ごとになる

万一、再婚禁止期間中に誤って婚姻届が受理されて婚姻が成立し(後で取消の対象とはなりますが)、その後、再婚相手との間に子供が生まれると、既にお伝えしたように、父親は元夫なのか再婚相手なのかが不明確な状態が生じます。

父親を決める裁判としては、まずは家庭裁判所に調停を申し立てます。

父子関係を科学的に判断するためにDNA鑑定を行い、その結果に争いがなければ「合意に相当する審判」によって父親が決められます。

ですが、どちらかがDNA鑑定の結果に納得できない場合は、通常の訴訟で争わなければなりません。

まとめ

再婚禁止期間は、子どもをトラブルに巻き込まないためのものです。再婚相手と早く夫婦になりたいからといって、罰則がないからといって再婚禁止期間を無視すると、後々子供にとって不利益になるようなトラブルに発展する可能性が高くなります。

女性のみ不公平だという思いを抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、上述のように生理的な理由に基づくためで、何よりも子供のためにある取り決めなのです。

子供の未来のためにも、再婚をする際には注意するように心がけましょう。

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