配偶者の不貞行為が原因で離婚した場合,慰謝料を請求して離婚をすることができます。 では、婚姻中に不貞行為をしていたことを離婚後に知った場合には、慰謝料を請求できるでしょうか?

結論からいうと,離婚後に発覚した場合でも慰謝料を請求することができる可能性があります。

しかし,以下のような点で離婚前に不貞が発覚した場合とは異なりますので,注意が必要です。

証拠収集が通常よりも難しい傾向にある

慰謝料を請求するためには証拠が必要になります。単に「離婚後すぐに結婚した」というだけでは,婚姻中に不貞をしていたことは証明できません。婚姻中に,元配偶者が不貞行為をしていたことを証明する材料を集めなければなりません。

通常,証拠としてはホテルなどに出入りしている写真・動画や浮気、不倫の事実を認めた録音などが考えられます。しかし,既に離婚が成立している場合,過去の出来事の写真や動画を見つけることは困難なことが多いですし,元配偶者等が浮気していた事実を認めることも考え難いです。そのため,証拠を集めることは通常に比べてとても大変になります。

 

では,どのような証拠が考えられるでしょうか?

婚姻中の不貞が発覚する経緯としては,共有していたメールアカウント等に不貞が疑われるものが保存されていたり,過去の日記がでてきたり,SNS上に情報がのっていたりということがありますので,このようなものが証拠として考えられます。

また,カーナビの記録やクレジットカードの利用明細など,過去にさかのぼって取得できる履歴を見てみると,旅行していた事実やプレゼントを贈っていた証拠が見つかるかもしれません。

慰謝料の金額が低くなる場合がある

不貞によって離婚した場合に裁判所が認める慰謝料は,150万円から200万円程度になることが多いようです。

しかし,先に離婚が成立していた場合には,慰謝料の金額が上記の相場よりも低くなってしまう可能性があります。

その理由は,慰謝料の金額が,結果の重大性によって影響を受ける点にあります。つまり,不貞によって生じた結果が大きいことは,慰謝料の金額が高くなる要素になります。

不貞発覚前に離婚したということは,不貞以外の理由でお互いに合意した上で離婚が成立していることがほとんどかと思います。そういったケースでは,「不貞が原因となって離婚した」と言える可能性が低くなります。そのため,「離婚した」という事実が不貞の結果としては考慮されにくく,慰謝料の金額が低額となることが考えられるのです。

では,具体的にはどのように慰謝料を請求すればよいでしょうか?

弁護士に依頼して手続きを任せることが最も簡単な方法です。しかし,上で述べたように,慰謝料の金額が低くなってしまう可能性がありますので,弁護士に代理人を依頼して費用を支払った場合には,手元に残る慰謝料がわずかになってしまう可能性があります。

そこで,直接会って話し合いをしたり,内容証明郵便等の書面を送ったりという方法で,自分で請求してみることが考えられます。相手が慰謝料の支払いをすることに納得し,金額にも合意できた場合には,合意書を作成しましょう。

相手とのやりとりで話がまとまらない場合は,裁判所の「調停」という制度を利用して話し合いを行うことも可能です。この調停を利用すると,第三者が間に入る形で協議を進めることができます。また,裁判所が「調書」と呼ばれる合意書を作成してくれます。

調停でも話がまとまらない場合には,裁判を行うことになります。簡易裁判所での裁判手続きは,通常の裁判に比べて,弁護士に依頼しなくてもできるように配慮がなされていますので,利用してみると良いかもしれません。

いずれの段階でも,不安がある場合には,弁護士に相談しながら進めると安心できると思います。代理人としての依頼ではなく継続的に相談をする形での利用でしたら,弁護士にかかる費用がそこまでかからずに済むでしょう。