離婚協議において子どもの親権者を決めることができない場合,最終的には裁判所にその判断をゆだねることになります。 裁判所が判断する際には,以下のような事項を考慮するといわれています。

子どもの意思

家庭裁判所は,子どもの年齢及び発達の程度に応じて,その意思を考慮しなければなりません。15歳以上の子どもについては,その陳述を聴かなければならないと法律で定められており,できる限りその意思を尊重されるべきと考えられています(新潟家審昭和42年10月25日参照)。

監護の継続性

主な監護者として子どもと相当長期にわたる関係を築いてきた親との離別を経験することは,子どもが精神的に不安定な状態に陥る等,悪影響を受ける可能性があります。

そのため,親権者の判断の際に,監護の実績がある者を優先させる傾向にあると言われています。ただし,子どもを違法に奪取して監護の実績を作ったような場合には,監護の継続性が重視されない判断がされることがあります(さいたま家川越支審平成24年4月26日参照)。

母性の優先

子どもが幼い場合には,主な監護者は母であることが多いことから,母が親権者として指定されることが多いのが実情です。ただ,この考え方を硬直的に当てはめることには問題があるとの意見も多く,個別の事案に応じて,心理的愛着の強さや親権者の適格性を判断すべきと言われています。

婚姻破綻についての有責性

有責性の内容が,子どもの監護に影響するような場合には,親権者の判断に影響を及ぼす可能性があります。 例えば,母親が不貞相手との交際を優先し,子どもの監護を怠っていたような場合です。 逆に,子どもの監護に影響がない場合には,親権者の判断では考慮されないでしょう。

面会交流の許容性

 

一般的に,離婚後も,子どもが非親権者となった親と継続的に交流できることは,子どもの人格形成にとって重要であると考えられています。そのため,面会について寛容な対応を示すことは,親権者としての適格性を判断する際にプラスの要素になると考えられます。

子の奪取の違法性

 

どちらかの親が子どもを連れて別居した際,その行動が違法であると判断される場合には,親権者としての適格性に問題があると考えられます。ただ,他方の親の意思に反していたからといって直ちに違法となるわけではなく,主たる看護者であった親が子どもを連れて別居する場合には,違法性は認められにくいです。

 

これらの要素の他にも,兄弟姉妹の不分離や,監護補助者の支援の有無,経済的事情,監護の環境等が考慮要素になると言われています。