離婚が成立するまでどれくらいかかりますか?といった質問をよく受けますが、1か月で終わるものから2年以上かかったものまで様々です。期間の違いはあれど、離婚手続きは、多くの人にとって、精神的な負担が大きいものです。また,離婚成立までには、精神的負担だけでなく、金銭的な負担もかかります。

 このコラムでは少しでも負担が軽くなるように離婚を決断する前に準備すべきことをまとめました。

1,離婚までにかかる負担を把握する

 離婚にかかる期間は,相手方の意向や経済状況等に左右されるため,一概に見通しを立てることができません。そのため,ある程度は時間がかかるものと考えて行動する方が安全です。

 まず,離婚までの生活費についてです。離婚協議を進めていく上で別居が必要になる場合が多いですが、別居した場合,配偶者より収入が低い人は,基本的に,相手から「婚姻費用」と呼ばれる生活費をもらえる権利があります。しかし,相手方が支払わないケースも少なくないため,支払いを受けられる可能性まで検討する必要があります。

 他方、配偶者より収入が高い人は,この「婚姻費用」を支払う必要がありますし,自分が別の場所で済むようになっても,自宅の住宅ローンを支払わなければならないケースがあります。そうなると,生活はかなり厳しくなりがちですので,実家に住むようにする等,支出を抑える必要があります。

 次に,手続きにかかる費用です。離婚届を提出するだけで済む場合には良いのですが,裁判所で調停や裁判を行う場合,弁護士を雇う場合,離婚協議書を公正証書として作成する場合等,必要な費用は異なってきます。各夫婦の事情によって,予想される手続き等は異なりますので,一度相談に行き,この費用についても把握しておくことをお勧めします。

 不測の事態に備えて、生活費にかかる出費をできるだけミニマムにしてスタートする方が良いでしょう。

2,離婚後の生活を計画し,必要であれば経済的な自立の準備をする

 生活費のメインが配偶者の収入になっている方は,現在のご自身の収入で離婚後の生活をスタートできるか確認する必要があります。不足している場合には,正社員の職を見つける,十分な貯蓄を準備する等,生活していける目途を立てていくことになります。

 ただ,自立のためには時間がかかりそうである一方,早急に別居して生活していきたいという希望やその必要性がある場合には,実家に住ませてもらったり,公的な支援を受け,別居をすることも選択肢に入ります。

 自分の給与で生活している場合でも,相手が親権を取得する場合には養育費を支払わなければなりません。また,自宅が売却されるまで住宅ローンの支払いを継続しなければならない場合もあります。そのため,支払わなければならない金額を把握してから,行動を起こす方が安全です。

3,離婚で生じる金銭を理解

(1)相手との関係

婚姻費用

 婚姻費用とは、婚姻期間中,夫婦がそれぞれ同じくらいの水準で生活を続けるために,収入の多い方が少ない方に支払う必要のある生活費です。

 この金額は,双方の収入,子どもの人数や年齢によって異なります。婚姻費用の目安は裁判所のホームページに掲載されている「婚姻費用算定表」で確認することが可能です。名古屋家庭裁判所でも,この算定表に基づいて金額が判断されるのが原則です。

慰謝料

 離婚慰謝料とは、離婚の際に相手に請求する慰謝料のことをいいます。 慰謝料とは、相手の不法行為によって精神的損害を受けた場合にその責任のある相手に請求できる損害賠償金です。ここで注意が必要なのは、慰謝料を請求することができるのは、相手に責任がある場合に限られるということです。つまり、自分に責任がある場合、どちらともいえない場合は慰謝料を請求することはできません。

 世間的によくある誤解は、妻は夫に慰謝料を請求できるというものです。上記で説明した通り、一方の相手に責任がある場合、請求ができるのであって、仮に夫に責任がなければ請求はできません。

 慰謝料が発生するケースについては別途コラムにまとめていますのでご参照ください。

財産分与

 財産分与とは、婚姻生活中に夫婦で協力して築き上げた財産を、離婚の際に分配することをいいます。法律にも、離婚の際には、相手方に対し財産の分与を請求することができる(民法768条1項)と定めています。しかし、相続で得た財産や婚姻前からも貯めていた貯金等は財産分与の対象になりません。

 勢いで準備をせずに離婚を急いでしまうと、夫婦の財産について細かい取り決めをせずに離婚が成立してしまう可能性があります。離婚を決意したら結婚後に築き上げた財産を確認するところから始めましょう。

養育費

 仮にお子さんがいる場合には、離婚成立後に、基本的にお子さんが成人する(20歳になる)まで養育費を得ることができます。養育費については、家庭裁判所の基準(算定表)に基づいて金額が決まるのが一般的ですが、当事者同士の話し合いで金額を決定することもあります。

3、離婚後の仕事の確保

 経済的に自立を目指すなら仕事の確保が必要です。ここでは名古屋市での仕事の確保についていくつか参考になることをまとめてみます。

〇ジョイナスナゴヤを利用する

 ジョイナス名古屋は母子家庭等就業支援センターとして活動しているセンターです。ひとり親家庭の母および父向けに就業支援講習会実施や仲間作りの場の提供にも力を入れて取り組んでいらっしゃいます。また、求人情報やカウンセリングも受けることが可能です。HPはこちら

〇株式会社リンクリンクを利用する

 名古屋市で「シングルマザーやプレシングルマザー」を応援を目的に企業活動を行っている会社です。シングルマザーシェアハウスや求人情報も掲載しています。HPはこちら

〇その他求人情報 

 Indeedというサイトを紹介します。ハローワークやその他求人情報掲載サイトを一括検索できる仕組みです。「Google」や「Yahoo!」の求人情報版とイメージして頂ければわかりやすいかと思います。 例えば、「名古屋市、シングルマザー」といった条件で検索すると、ハローワーク、その他求人情報サイトの情報を一括で検索表示してくれます。メリットは、多くの求人情報サイトにある求人情報を一括で検索できるということです。

4、離婚経験者のブログを見る

 離婚問題はなかなか相談する相手もいないだけに、同じ境遇の人の話を聞くことでポジティブになれることもあります。ブログ村で人気の離婚に関する記事を探してみてはどうでしょうか?離婚体験者のブログを見ることで共感が得られたり、精神的な励みになることもあるかもしれません。