法律上に規定されている離婚理由のひとつが、強度の精神病です。

強度の精神病とは

配偶者が、夫婦間の精神的なつながりを持ち、夫婦の互助協力義務を果たせないような状態にあることを言います。
具体的には、統合失調症や躁うつ病などの精神病にかかっている場合に、その程度によって、この離婚事由に該当する可能性があります(アルコール中毒、ヒステリー、認知症などは精神病には属しません。)。

強度の精神病に該当するかどうかの判断は、専門医の鑑定に基づいて、裁判官が法律的に判断することになります。現在では、医学の進歩により「回復の見込みがない」という診断が困難になっていることから、⑤婚姻を継続しがたい事由のひとつとして判断されることの方が多いようです。

強度の精神病にかかっている場合でも、離婚が認められるためには、その配偶者にとって酷な事態が生じない状態にある必要があります。具体的には、離婚を請求している配偶者による看護の有無・程度、精神病にかかっている配偶者の将来の療養や生活の目処などが検討対象となります。

裁判例

裁判例では、離婚請求者である夫が妻の療養をもっぱら妻の実家に任せきりにし、性急に離婚を求めるとともに、妻の扶養について応分の負担すら拒否した事例で、離婚請求を認めなかったものがあります(東京地判昭和54年10月26日)。