近年,配偶者と別れたい理由として「モラハラ」を主張する方が増えているように感じます。

モラハラの意味

では「モラルハラスメント」とはそもそもどういった意味があるのでしょうか。簡単に言うと、「モラルハラスメント」とは言葉や態度等によって行われる精神的な暴力です。

 

「母親はもっと家事も育児もしっかりできていた。何でお前はできないんだ。」

「誰が稼いだお金で生活できていると思ってるんだ。」

「俺が怒るのは,お前が怒らせるからだ。」

 

「男のくせに何でそんなに稼ぎが少ないの?」

「どうしてそんなこともできないの?」

「男なら家族を養うのが当たり前でしょ?」

 

このような言葉を日常的に浴びせられるだけでなく,周囲に嘘や悪口を言われて孤立させられたり,無視をされたりといったこともあります。

モラハラにより離婚請求が認められた事例はこちらをご覧ください。

モラハラ加害者の特徴

モラハラの加害者の特徴としては,次のようなものがあります。

・なんでも人のせいにがちで,自分のことは正当化する。

・外面が良く,自分の支配下や自分よりも弱いと思っている者に対してのみ態度が違う。

・平気で嘘をつく。

・言葉巧みで,話をすり替えたり,疑問形で相手を納得させるような形で追い込む。

 

そして,加害者に反発することなく,加害者の言葉を受け入れて自分が悪いと考えてしまったり,自分を犠牲にして我慢すればよいと考えるような傾向がある方が,被害者となってしまいがちです。

しかし,モラハラの被害を受け続けることの結果を軽く考えてはいけません。 長期の治療を必要とする精神的なダメージを負ってしまったり,子どもにも大きな影響を与えてしまうことがあります。

そのため,モラハラの被害にあっているのではないかと認識したときには,周囲に相談をして,自分の状況を冷静に見つめてみることが必要です。

モラハラを理由に離婚ができるか?

では,離婚を決意した場合,モラハラを理由に離婚ができるのでしょうか?

まず,相手との協議や裁判所の調停で離婚に合意できれば,離婚することができます。 しかし,加害者は自分の行為が相手に苦痛を与えているという自覚がない場合が多く,合意を得ることは簡単ではありません。 また,協議の段階でも人格を否定するような発言をされることがあるため,自分一人ではなく,親族や専門家の援助を受けながら進めることをお勧めします。

相手方が同意しない場合,裁判で離婚を請求します。 裁判所が離婚を認めるのは,法律上で定められた離婚原因があると判断した場合です。

 

「離婚原因」は以下の5つです。

・配偶者に不貞な行為があったとき。

・配偶者から悪意で遺棄されたとき。

・配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

・配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないとき。

・その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 

モラハラは,「婚姻を継続し難い重大な事由」として判断されます。 モラハラのみを原因として離婚を認めた例はあまりありませんが,以下のような裁判例があります。

 

例)妻が,裸状態の夫を締め出したこと,夫に子ども用のベッドで寝るよう強要したこと,夫の洋服をはさみで切ったこと,夫の職場に嫌がらせをしたことなどから,妻の虐待により婚姻関係が破綻していると認めた(東京高判昭和58年8月4日)。

 

また,加害者の特徴として,平気でうそをつくとありますが,裁判においても嘘をつくことがあります。 そのため,どのようにモラハラを証明するかということが,大きな課題となります。加害者の言動について,録音や日記で記録に残してしておくと,証拠として利用できます。

また,精神科や心療内科にかかっているときには,その診断書を提出します。女性センター等に相談したことがある場合には,その記録が証拠になります。

なお,証拠がない場合でも,別居期間をおけば離婚することは可能です。 まずは周りに相談をしてみましょう。