アルコール依存症の配偶者と離婚する方法

アルコール依存症のせいで、暴力をふるったり、仕事に行かなかったり、借金を作ったり…。これでは、離婚を考えてしまうのも当然です。

しかし、アルコール依存症を理由に離婚できるかどうかは、協議離婚で相手が離婚に応じてくれるかどうか、または婚姻関係が破綻していると判断されるかどうかにかかっています。

アルコール依存症は病気ですので、それが理由で結婚生活を営むことが難しく、婚姻関係が破綻していると裁判所に判断されれば離婚することができます。

ただし、アルコール依存症の度合いが低く婚姻関係が破綻しているとは言えないと裁判所に判断されれば、アルコール依存症という理由だけでの離婚は難しいでしょう。

つまり、ケースバイケースで離婚が認められる場合と認められない場合があるということです。

この記事では、アルコール依存症のパートナーと離婚できるケース・離婚の手順・離婚を成立させるためのコツなどについてご紹介します。

アルコール依存症で離婚できるケース

相手のアルコール依存症を理由に、離婚できる、具体的なケースごとに解説していきます。

アルコール依存症を理由として離婚ができるケースは、大きく分けて次の5つです。

相手が離婚に同意するとき
日常的に暴力を振るわれたとき
「悪意の遺棄」にあたるとき
「強度の精神病」にあたるとき
長期間の別居期間があるとき

相手が離婚に同意するときには、離婚協議、離婚調停、離婚訴訟のどのタイミングであっても、離婚することができます。離婚は、夫婦の合意で成立するのが原則だからです。

そのため、アルコール依存症を理由に離婚を思い立ったときには、まずは相手と話し合いをするのが重要です。アルコール依存症がまだそれほど進行していなければ、「迷惑をかけた」という罪悪感から、すんなりと離婚に応じてくれるケースも少なくありません。

相手が離婚に同意するときは、あわせて、子どもの親権・監護権、養育費、面会交流、財産分与といった条件についても決め、離婚協議書を作成しておきます。
相手が、お酒を飲んでDVや重度のモラハラをくり返すときは、離婚事由の一つの「婚姻関係を継続し難い重大な事由」にあたると判断されます。
家庭裁判所でも離婚が認められることでしょう。

このようなときは、DV・モラハラの被害にあったと裁判所に理解してもらうためにも、相手が暴力を振るったときの録音・録画や写真のような証拠を収集しておくのがおすすめです。

ただし、暴力・暴言などにより危険が迫っているときは、DV・モラハラの証拠が十分に収集できていなかったとしても、なにはともあれ別居を優先すべきです。

夫婦には、相互扶助義務があるため、アルコール依存症となり、お酒ばかり飲んで仕事をしない、家事をしない、家庭をかえりみないというときは、この義務に違反して「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)という離婚原因にあたります。

そのため、このようなひどい状況にあるときには、裁判所でも離婚を認めてもらうことができます。

アルコール依存症が発覚したことから別居をスタートし、別居期間が長期間となっているときには、そのこと自体が「婚姻関係を継続し難い重大な事由」(民法770条1項)とされて離婚を認めてもらえるケースがあります。

アルコール依存症の配偶者と離婚する手順

アルコール依存症のために離婚したいことを相手に伝える
離婚に応じてもらえない場合は別居を試みる
別居の実績を作ってから離婚訴訟を起こす

まずは、パートナーに離婚したい旨を伝えましょう。すぐにでも離婚したいからと言って、いきなり離婚届を出すことは後々トラブルになったり後悔したりするため、おすすめできません。

相手が話し合いに応じてくれるようであれば、財産分与や養育費などのお金関係についてもしっかりと話し合ってください。

アルコール依存症になっている相手は、冷静に話し合いに応じてくれない場合も多いです。そのような場合は、離婚の前に別居をするようにしましょう。

別居期間が長く、かつ別居期間中夫婦間の交流も乏しいということとなれば、夫婦関係が破綻しているとして離婚が認められる可能性があります。

相手との協議がどうしてもまとまらないのであれば、相当程度の別居期間を経たのちに離婚調停を申し立てることも検討すべきです。この際、法律のプロである弁護士のサポートを受けながら進めるのがおすすめです。

アルコール依存症のパートナーと冷静な話し合いをすることは通常はハードルが高いと思われますので、弁護士を通して話し合う方がスムーズでしょう。

なお、代理人に依頼すれば、離婚調停やその先の離婚訴訟となったときも手続きを一任できるので心強いです。

アルコール依存症のパートナーと離婚するのは、通常の離婚よりも精神的にきついものがありますし、証拠が必要になるなどスムーズに離婚を進められないことも多く大変です。

また、「アルコール依存症で苦しんでいる夫や妻を放って離婚するのか」と周りから思われないかという悩みも出てきてしまうこともあります。

離婚を少しでも考え始めたタイミングで弁護士に相談してみると、離婚すべきなのか、離婚するならどう進めていけばいいのか、一緒にあなたの味方として離婚について考えてくれるはずです。
ぜひお近くの弁護士に相談をしてみてください。

どうすれば今後の自分の幸せに繋がるのかを考えることが大切です。
専門家のアドバイスを受けながら少しずつでも環境を変えていきましょう。

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