育児ノイローゼを乗り越えて離婚を回避するには

育児ノイローゼを克服する方法

育児ノイローゼの間は、精神的にとても不安定です。そのような状況で離婚を決意した場合、後で後悔することになってしまうかもしれません。

では、どうすれば離婚せずに育児ノイローゼを克服できるのでしょうか?具体的な解決策をご紹介します。

夫に手伝ってほしいことを伝える

子どもの世話や家事を頑張って、追い詰められたような状況になってしまっているときに、夫が「気を使っていない」、「わかってほしい」と感じたことはありませんか?配偶者がよく気づいて進んでいろいろとやってくれるタイプであればよいですが、そのような方は非常に稀です。また、子育ての場合には、初めてのことばかりですし、どうしても出産をする女性よりも当事者意識が低くなってしまうことが多く、何をしたらよいのかわからないのかもしれません。

直接お願いするのは気が引けるかもしれませんし、お願いをすること自体に負担を感じてしまうかもしれません。しかし、「助けが必要」、「しんどい思いをしている」ということを伝えなければ、状況は変わらない可能性が高いです。勇気を出して、何を助けてほしいのか正直に話してみてください。

気持ちを伝えるときには、「あなたが手伝ってくれないからしんどい」というように「相手」を主語にしてしまうと相手が責められているように感じてしまうことが多いようです。「私は、育児と家事にいつも追われてしんどいと感じていて、助けて欲しいんだ」というように「私」を主語にして気持ちを伝えると良いようです。

辛いときは第三者に頼る

育児ノイローゼに陥り毎日が辛いときや、夫婦仲が悪化して改善が難しいときには、一人で頑張りすぎず、第三者の力を借りることをお勧めします。

精神科や心療内科で心理療法(カウンセリングなど)を受けると、症状が改善されることがあります。病院に行くのは気が引けるという方は、カウンセラーさんや公的な相談機関で相談するだけでも、気持ちが楽になるかもしれません。相談窓口の存在を知っていても、なかなか行くことができない場合は、インターネットやSNSの力を借りるのも手です。同じように育児に悩んでいる人がいるということがわかり、情報共有できるだけでも気持ちが楽になるはずです。

夫婦関係がうまくいかないときは、家族や友人、あるいは夫婦カウンセラーなどの専門家に相談することをお勧めします。問題を一人で抱え込んでしまうと、気持ちがどんどんネガティブな方向へ向かってしまうことがあります。誰かに悩みを打ち明けることで、解決の糸口が見つかるかもしれません。

また、シッターさんや家事代行業を上手に利用することで、家事や育児の負担を減らすことも積極的に試してみると良いと思います。地域によっては、無料でお子さんを数時間預り、お母さんを支援してくれるようなNPO法人もありますので、探してみてください。

夫に完璧を求めない

夫が家事や育児を手伝ってくれているのに、どうしても悪いところが目についてしまい、イライラした経験はないでしょうか。

完璧を求めると、自分が毎日イライラするだけでなく、頑張ろうとしている配偶者のテンションが下がってしまったり、夫婦間の気持ちの距離がどんどん離れてしまいます。

家事や育児の質も大切ですが、それよりも、夫婦関係の質の高さの方が、日々の生活を気持ちよく過ごしたり、子どもたちが安心な環境で成長するために大切ではないでしょうか?「自分が求めるもの」でいろいろなことを判断していくことももちろん大切ですが、「良好な夫婦関係を維持するにはどうしたら良いか」という判断基準も大切にすると、悪いところが目についても流せるようになり、気持ちが落ち着きますよ。

夫に感謝の気持ちを伝える

近年、夫が育児や家事を手伝うことが一昔前よりも多くなってきています。それでも、女性の方が家事や育児の負担が多いことがまだ一般的です。日本の女性が家事や育児にかける時間は男性の5倍程度であり、諸外国の2倍程度の格差よりも格段にその差が多くなっているというデータもあるようです。

負担が大きい中で毎日を過ごしていると、どうしても不満の方がたまってしまい、感謝の気持ちを伝えることが難しくなってしまうことがあります。私の方がもっと感謝してもらって当然ではないか!?という気持ちになってしまうこともありますよね。

そんなときには、脳内で理想の自分を思い描いてみてください。その自分だったら、家事や育児を分担して頑張ろうとしている相手にどのような声をかけるでしょうか??

他人を変えることはできませんが、自分が理想としている姿に近づいていくと、周囲もそれに影響されて良い変化が生じるかもしれません。

働く

外に働きにでると、家事や育児をしているよりも、さらに負担が増えるように感じてしまい、抵抗があるかもしれません。しかし、働いて家族以外と接点を持ったり、仕事で誰かに貢献することで自己肯定感が高まったりすることで、状況が改善することがあります。

また、経済的な余裕ができることも、精神的な安定を得るためのひとつの材料になりますし、いざ離婚を選択したいと考えたときにも、収入源があることはとても大切なことになります。

実際に働きだすまでには、保育園探しや職探し等のハードルを乗り越えなければなりませんが、1つずつ解決しくことは可能なはずです。

選択肢の一つとして、考えてみてください。

森上未紗 弁護士
(愛知県弁護士会所属)

弁護士(弁護士法人ハレ名古屋支所)

離婚問題・相続問題に注力しています。年間離婚相談件数120件以上。「依頼者の気持ちを上向きに」精神面でもサポートし、笑顔あふれる未来に導けるように寄り添って対応いたします。

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