離婚が子どもに与える影響

子どもがいる場合、離婚は、夫婦だけの問題ではありません。

両親の離婚により、年齢に関わらず、その子どもたちは影響を受けることになります。子どもの中には、親に心配をかけまいと、自分の苦しい気持ちを親に対して見せないようにするタイプの子どもたちもいます。そのため、親としては、離婚という大きな変化が生じているときには、特に、子どもに寄り添い、ケアをしていく必要があります。

離婚という選択をする場合には、その選択が最善の選択であったと言えるようにがんばっていくことになります。

ここでは、離婚が子どもに与えうる影響について学び、子どもにとって親の離婚がマイナスではなくプラスの要素になるようにしていきましょう。

離婚が子どもの成育にマイナスの影響を及ぼしてしまう要因として、5つのことが考えられます。

・非同居親と子どもとの親子関係が薄れること
・子どもの経済状況が悪化すること
・同居している親の労働時間が増えること
・両親の間で争いが続くこと
・単独の養育でストレスがかかること

 

どれも子どもが親とのコミュニケーションがとりづらくなり、身体的・精神的な負担が増えるであろう状況ですね。そして、コミュニケーションが取りづらい状況から、子どもの身体的・精神的な負担に気付きにくいという悪循環もできてしまう可能性があります。

そして、ストレス等を受けた結果として、子どもたちには以下のような影響がでてしまう可能性があります。

1:学業や部活等に集中できず成果が下がったり不登校等になる

家族がバラバラになることで、生活環境など全てが変わることによるストレスも大きいようです。

ひとり親家庭になれば、一人で家族を養うためにそれまで以上に働きに出る必要があり、家庭での時間が少なくなったり、食事時間、就寝時間などの変更された日課に順応しなければなりません。

離婚に伴うストレスから日常生活に集中できなくなり、学業や部活動の成績が悪化することがあります。また、未熟な精神の状態で受けたストレスにより、成人後の社会的地位にまで影響することもあります。

2:子どもが良好な家庭像を描くことが難しくなる

もし両親が毎日喧嘩などをして緊張状態が続いていた場合、子どもは居心地の悪い状態を通常の家庭像として認識し、家庭を持つことを望まなくなることがあります。

また、離婚によりそれまで当たり前だった家族との関係を失い、愛情という概念に疑問を持ち始める可能性があります。

3:両親に気を遣い孤独になる

離婚は子どもにとって「親から捨てられる」という不安を感じさせることがあるようです。また、子どもには何の責任がなくても、離婚について、自分に責任があるのではないかと自分を責めてしまうこともあります。

その結果、親に本心をさらけ出せず、自分を受け止めてもらえる存在がいないと感じてしまうことがあるようです。

 

このような状態になることを回避するために、子どもの前で争わないことが大切です。子どもを味方に付けようとしたり、他方の親への反抗を強要させることは、子どもに混乱を生じさせていじめを誘発するような成長をしてしまう可能性があります。まだ成長過程であり、身体的にも精神的も未成熟だということを念頭に置きましょう。

また、離婚をしても親の子どもに対する愛情は変わらないこと、離婚は家族が幸せになるための選択であることをしっかりと伝えてあげた方が良いケースがあります。

 

精神科を受診した子ども約400人を対象として調査したところ、親が離婚した子どもは、一般の子どもの約2倍というデータもあります。

また、親が離婚した子どもとそうでない子どもを比較したデータとして、以下のようなものもあります。

・子どもが結婚した際の離婚率が約3倍になる
・子どもの喫煙率も約48%増加
・何かしらの依存症になる可能性が高い
・老化現象が平均よりも早く訪れる

 

最後に年齢別での影響もみていきましょう。

【0歳~2歳までの乳幼児期の影響】

離婚の際、「子どもが父親の記憶を持たないうちがいい」と考える方もいます。

しかし、ひとり親になれば、子どもとの生活を経済的に支えるために働く時間を優先する場合も多くなりがちです。しかし、0~2歳というのは、子どもが少しずつ生を受けたこの世にあるものの認識を増やしていく年齢です。この期間に受けるべき親からの愛情が十分である方が、養育上良い影響があるというデータもあるようです。

中々時間を作るのは難しいかもしれませんが、子どもと向き合う時間も作っていけるよう、周りにも協力を求めていきましょう。

【3歳〜6歳の就学前の影響】

この時期の子どもは社会性を身につけだし、自分と他人を区別するようになります。そこで友達には父親がいるのに自分にはいないことに気が付き、疑問を持ち始めるでしょう。

質問をされたら、どのように答えるべきか、事前に決めておきましょう。子どもだからとその場しのぎの対応をしてしまうと、子どもに疑念が残ってしまう可能性があるため、注意が必要です。

【7〜18歳の青年期の影響】

この時期の子どもが、両親の離婚をどのように受け止めるかは、本当に子どもによりそれぞれです。

コミュニケーションの時間をしっかりととり、子どもに変化があれば気づけるようにしておくことがまずは大切になります。

子どもへの対応で悩むときには、一人で抱え込まずに、学校のカウンセラーさんや心療内科等、周りの助けを求めてみるようにしましょう。

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