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不貞した妻と早期離婚を実現した戦略的交渉事例

夫(依頼者)

子ども

  • 1人

依頼者(男性)は、妻から離婚請求を受けた状態で当法人の弁護士に相談されました。依頼者は離婚自体には合意していたものの、子どもとの関係を何よりも大切にしており、可能であれば親権を取得したいという強い希望を持っていました。依頼者の話からは、子どもの性格をよく理解し、子どもの意向を尊重する教育方針であることがうかがえました。一方、妻は比較的厳しくしつける方針であり、その点でも夫婦間で対立が生じていたようでした。

当法人の弁護士は、まず依頼者の親権に対する深い思いを丁寧に聴取しました。そのうえで、親権争いの法的見通しについて冷静に分析し、以下の点を依頼者と共に検討しました:

  1. 法的な親権獲得の可能性(裁判所の判断傾向を踏まえた評価)
  2. 親権争いが子どもに与える心理的影響
  3. 争った場合の妻側との関係悪化リスクと、それが将来の面会交流に及ぼす影響
  4. 現実的に子どもとの関係を維持・発展させる最善の方法

徹底的な検討の結果、親権は争わず、その代わりに充実した面会交流の権利を確保する方針を立てました。これは単なる妥協ではなく、子どもの福祉と将来的な父子関係の維持を最優先した戦略的な選択でした。 交渉においては、親権を争わないという大きな譲歩をする代わりに、面会交流については通常の頻度・時間を大幅に上回る内容を強く主張しました。

数ヶ月にわたる交渉の結果、以下の内容で合意に至りました:

  1. 親権は妻が取得するものの、頻繁な宿泊を含む面会交流が保障される
  2. 長期休暇中は連続した数日間の面会も可能となる

通常の離婚事例における面会交流と比較して、かなり頻度の高い充実した内容で合意することができました。これにより、依頼者は「親権者」という法的地位は持たないものの、実質的に子どもの成長に深く関わり続けることが可能となりました。

この事例で最も印象的だったのは、依頼者様の「親権」という法的な地位よりも、実質的に子どもさんとの関係を維持することを優先された姿勢です。親権争いは往々にして感情的になりがちですが、依頼者様は冷静に子どもさんの最善の利益を考え、「争う」ことよりも「共に育てる」道を選ばれました。

交渉の過程では、「親権は譲っても、父親としての存在意義は決して譲らない」という依頼者様の強い思いが、相手方にも伝わっていったように感じます。その結果、通常の面会交流よりもはるかに充実した内容での合意が実現しました。

離婚後の親子関係は、法的な枠組みだけでなく、親自身の姿勢によって大きく左右されます。この依頼者のような子ども思いの父親が、これからも子どもさんの成長に寄り添い続けられることを、弁護士として心から嬉しく思います。「親権」という言葉にとらわれず、実質的な親子の絆を守る新しい形を創り出せたこの事例は、これからの時代の家族のあり方を考える上でも、大きな意義があると感じています。


本事例は実際の解決事例を元に、個人情報保護の観点から、個人が特定されないよう一部修正・編集を加えております。事案の本質を損なわない範囲で加工していますが、解決プロセスと結果は実際の事例に基づいています。

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