解決事例

ご依頼の経緯

子どもが生まれた直後に、依頼者（男性）がほぼ独断で転職を決め、その後も子育てを妻に任せきりにしていたことから、妻から離婚を請求されている状況でした。妻の離婚意思はすでに強固なものとなっており、妻の親もかなり関与してきている状態でした。依頼者は今後どのように対応すべきか分からず、当事務所に相談に来られました。

当事務所の対応

まず、現状を正確に把握するため、妻側との対話の機会を設けました。その結果、妻の離婚意思が非常に強固であり、離婚を拒否しても関係修復は見込めず、むしろ紛争が深刻化する可能性が高いと判断しました。

この状況を踏まえ、ご依頼者と慎重に協議を重ね、以下の方針を立てました：

1. 離婚自体は受け入れる方向で調整する
2. 離婚後の子どもとの関係を最優先に考え、充実した面会交流を確保する
3. 将来的な父親としての役割を果たすための基盤づくりを重視する
4. 感情的な対立を避け、なるべく円満な形での解決を目指す

ご依頼者にとっては厳しい現実との向き合いでしたが、子どもの将来を考えた長期的な視点から、この方針で進めることになりました。

結果

当事務所の関与により、依頼から約1ヶ月という短期間で円満な離婚合意に至りました。子どもとの面会交流についても具体的な取り決めがなされ、依頼者が父親としての役割を継続して果たせる環境が整いました。

離婚後、依頼者は新たな気持ちで仕事に取り組むようになり、後日弁護士が対面した際にも、前向きに新生活をスタートさせていることが確認できました。

弁護士のコメント

この事例は、「離婚を避けることが最善なのか」という重要な問いを投げかけるケースでした。当初、ご依頼者は離婚を回避したいという気持ちが強かったのですが、状況を冷静に分析する中で、むしろ円満な形での離婚を選択し、子どもとの関係を大切にする方向性が最善であると判断しました。

離婚紛争では、感情的になりがちですが、特に子どもがいる場合は、長期的な視点で冷静な判断をすることが重要です。このケースでは、「離婚後の親子関係をどう構築するか」という点に焦点を当てることで、建設的な解決に至りました。

また、依頼者自身が自分の過去の行動を振り返り、責任を認識されたことも、円満解決の大きな要因でした。時に、自分の行動パターンを見直し、新たな一歩を踏み出す契機として離婚を捉えることも、前向きな解決につながります。

当事務所では、単に法的な権利関係だけでなく、依頼者の人生全体を見据えたアドバイスを心がけています。この事例のように、一見すると望ましくない結果に思える選択が、長い目で見れば最善の選択となるケースも少なくありません。

※本事例は実際の解決事例を元に、個人情報保護の観点から、個人が特定されないよう一部修正・編集を加えております。事案の本質を損なわない範囲で加工していますが、解決プロセスと結果は実際の事例に基づいています。