解決事例

ご依頼の経緯

依頼者（女性）は、夫が自分の正しいと考える価値観を一方的に押し付ける傾向があり、長年の結婚生活の中で精神的に疲弊していました。自分自身で夫と離婚について話し合うことは困難であると感じ、専門家による支援を求めて当事務所に相談されました。ご依頼者は、夫のこだわりの強さから裁判まで発展する可能性も覚悟していました。

当事務所の対応

まず、依頼者の精神的な負担を軽減するため、夫とのコミュニケーションを当事務所が引き受けることにしました。夫との対話では、単に法的な主張を行うのではなく、夫なりの家族への愛情やこだわりを丁寧に聞き取り、理解する姿勢を大切にしました。

その上で、法的な観点から離婚に関する説明を行い、裁判ではなく協議での解決が双方にとって有益であることを論理的に提示しました。特に、子どもたちの状況や意向を尊重した監護体制の提案など、夫の価値観も取り入れつつ、現実的な解決策を模索しました。

また、財産分与についても、法的な権利関係を明確に説明しながらも、双方が納得できる適切な分配方法を提案しました。

結果

当事務所の調整により、当初は裁判まで発展すると思われていた事案が、依頼から約2ヶ月という短期間で協議離婚として解決しました。子どもたちの状況や意向を反映した監護体制が整えられ、ご依頼者も適切な財産分与を受けることができました。

ご依頼者は精神的な負担から解放され、新たな生活をスタートすることができました。また、夫も自分の考えが尊重されたと感じたことで、協力的な態度へと変化し、今後の子どもとの関係に前向きに取り組む姿勢を示しました。

弁護士のコメント

この事例では、「価値観の対立」をどう扱うかが大きな課題でした。強いこだわりを持つ相手との離婚交渉では、単に法的な権利を主張するだけでは解決が難しいケースが少なくありません。

当事務所では、相手の価値観や考え方を否定せず、まずは丁寧に聞き取ることから始めました。その上で、法的な枠組みの中で、相手の大切にしている価値観も可能な限り尊重した解決策を提案することが、早期解決の鍵となりました。

特に子どもが複数いる場合、離婚後の監護体制をどう構築するかは重要な課題です。この事例では、子どもたち一人ひとりの状況や意向を丁寧に確認し、それを反映させた提案を行いました。これによって、夫も子どもたちのために冷静な判断ができるようになったと考えています。

精神的な疲弊を感じている方が自分で交渉するのは非常に困難です。そのような場合は、早めに専門家に相談することで、状況の悪化を防ぎ、より円滑な解決が可能になります。当事務所では、依頼者様の心身の負担を軽減しながら、最適な解決に向けてサポートいたします。

※本事例は実際の解決事例を元に、個人情報保護の観点から、個人が特定されないよう一部修正・編集を加えております。事案の本質を損なわない範囲で加工していますが、解決プロセスと結果は実際の事例に基づいています。