『辛すぎるワンオペ育児』の原因と対処法

ワンオペ育児とは何か?

ワンオペ育児とは、家庭内のすべての家事や育児を一人で担う育児スタイルのことを指します。この育児スタイルは、特に子どもが小さい頃や育児に対するパートナーのサポートが得られない状況において、非常に過酷で疲れるものであり、多くの母親や一人親にとって日常生活の中で大きな負担となることが多いのです。ワンオペ育児をしなければならない状況にいると、体力的にも精神的にも大変な思いをすることになります。今回の記事では、ワンオペ育児がつらいと感じる具体的な原因や、その対処法、さらにはどこに相談すればよいのかといった情報を詳しく紹介していきます。

ワンオペ育児がつらいと感じる5つの原因

1. 夫が育児に協力的ではないから

専業主婦であると、周囲からはどうしても楽に見られがちですが、実際には育児は非常に多くの時間と労力を要する仕事です。夫や友人、さらに実母や義母からも「専業主婦なのだから、育児が辛いなんて甘えている」と言われることも少なくありません。こうした外部からの声は、育児に関するストレスをさらに増幅させる要因となります。特に、思い通りにならない子どもと家事を両立させることは、想像以上に難しいことであり、その大変さを全く理解してくれない夫や他人を見ていると、心の中にストレスや不満がたまってしまうことは避けられません。2人の子どもを持つにも関わらず、夫を頼ることができないという状況は、精神的にも大きな負担となるでしょう。

2. 睡眠時間が大幅に削られる

睡眠は三大欲求の一つであり、心身の健康にとって不可欠な要素です。特に、育児中の母親は、子どもが夜泣きしたり、頻繁に授乳を必要としたりするため、睡眠時間が大幅に削られることが多いです。このように睡眠不足が続くと、体調を崩すだけでなく、精神的にも不安定になり、イライラや焦燥感が増していくことがあります。これにより、日常生活におけるパフォーマンスが低下し、育児に対する意欲をも失う危険性があります。

3. 子どもが生まれる前の理想と現実のギャップが大きい

育児は大変だということはよく耳にしますが、実際に体験してみないとその本当の大変さを理解することは難しいものです。子どもが生まれる前に持っていた理想や期待と、実際の育児生活との間には大きなギャップが存在することが多いです。特に、理想的な育児のイメージを持っていた人が、思い通りにいかない現実に直面すると、ストレスが溜まり、限界を感じてしまうことがよくあります。こだわりが強い人や完璧主義の方は特に注意が必要で、このような差が自己嫌悪を引き起こし、ワンオペ育児をよりつらく感じさせる要因になります。

4. 自分の時間が確保できないから

育児や家事は年中無休で、次から次へとタスクに追われる中で、自分自身のための時間を確保することは非常に難しいものです。家事や育児の合間に、自分の趣味やリフレッシュするための時間を持つことができず、結果としてストレスがたまっていくのです。このような状況が続くと、自分を見失ってしまい、心の余裕がなくなってしまうことがあります。自分の時間を持たないことが、精神的な負担を増大させる原因となり、心身の健康にも影響を与えることがあります。

5. 相談できる相手がいない

ワンオペ育児に関する悩みを気軽に相談できる相手がいないことも、孤独感を増し、つらい気持ちを助長する原因の一つです。周囲に理解者がいないと感じることで、育児の悩みやストレスを一人で抱え込むことになり、心の負担がますます大きくなることがあります。このような孤独感は、精神的な健康に悪影響を与え、育児に対する意欲や楽しさを奪ってしまうことがあるため、注意が必要です。

専業主婦がワンオペ育児をつらいと感じる場合の対処法

ワンオペ育児がつらいという気持ちを我慢し続けていると、いつかストレスが爆発し、大きな夫婦喧嘩のきっかけになったり、夫婦関係が悪化して最悪の場合には離婚に発展することも考えられます。専業主婦であっても、全てを一人でやろうとせず、以下で紹介する対処法を試してみてください。

1. 父親の自覚を持ってもらう

ワンオペ育児を避けるためには、夫に父親としての自覚を持ってもらうことが重要です。育児の大変さやその深刻さをしっかりと伝え、自主的に育児に参加してもらうようにしましょう。相手が家事や育児を行わないことに対して怒ったり責めたりするのではなく、現状のワンオペ育児を少しでも解消するために、冷静に話し合うことが必要です。このようなコミュニケーションをしっかりとることが、良好な関係を築くための第一歩であり、相手を理解し合うための大切な時間になります。

2. 家事を手抜きする

子どもが小さく手がかかる時期は、家事育児を完璧にこなすことが非常に難しいものです。そこで、やるべきこととやらなくても良いことの優先順位をしっかりとつけ、必要最低限のことに集中することが求められます。特に専業主婦の場合、「家事育児=私の仕事」と思い込んでしまうことが多く、完璧にできなかった時は自分を責めてしまいがちですが、数日間は最低限の家事だけを行い、それ以外は手を抜いても問題ないはずです。育児において完璧を求めることは、かえって自分を追い込む結果になります。大切なのは、子どもとの関わりを深めることであり、家事を手抜きしたからといって重大な問題になることはありません。

3. たまには子どもを預けてみる

たまには、子どもから離れて自分の時間を持つことも一つの方法です。例えば、親や信頼できる友人に子どもを預けて、短い時間でも自分のために使うことで、心の余裕を持つことができます。ただし、預ける前には、夫としっかりと相談することが大切です。この際、ワンオペ育児に疲れていることを率直に話し合い、理解を得ることが重要です。「家事育児=女性の仕事」という風潮が今なお残っていますが、365日休むことなく家事育児をこなすことは、精神的にも肉体的にも過酷なものです。特に小さな子どもを抱える場合、24時間体制でお世話をし、睡眠も細切れになるため、精神的に追い詰められやすくなります。「辛い」という感情は決して「甘え」ではありません。辛いのは、これまで一人で多くのことを頑張ってきた証拠です。自分を責めずに、楽しく家事育児ができるような妥協点を見つけていくことが、心の健康を保つ鍵となります。

森上未紗 弁護士
(愛知県弁護士会所属)

弁護士(弁護士法人ハレ名古屋支所)

離婚問題・相続問題に注力しています。年間離婚相談件数120件以上。「依頼者の気持ちを上向きに」精神面でもサポートし、笑顔あふれる未来に導けるように寄り添って対応いたします。

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