不貞行為による慰謝料請求の解説
不貞行為が原因で離婚に至る場合、許せない！慰謝料を請求したい！と考える方も多いでしょう。そのような方のために、今回は、慰謝料の相場や慰謝料請求に必要な証拠等について解説します。
慰謝料の相場
気になる不貞行為の慰謝料の金額ですが、不貞行為の結果、夫婦関係が破綻したかどうかで金額が異なります。
夫婦関係が破綻に至った場合の慰謝料の相場としては150万円から250万円程度と言われています。破綻にまで至らなかった場合は、50万円から100万円程度と言われています。配偶者の不貞行為で受ける精神的な苦痛や夫婦関係の破綻で家族が受ける影響の大きさを考えると、とても低い金額ですよね・・・
慰謝料の金額は、夫婦関係に与えた影響に加えて、以下のような要素により変動します。
- 不貞相手との交際期間や回数：交際期間が長いほど、また、行為の回数が多いほど、高額になる可能性が高いです。
- 婚姻期間の長さ：結婚していた期間が長いほど、婚姻相手に与えた精神的苦痛もより大きいと判断されやすくなります。
- 子どもの有無：子どもがいる場合、慰謝料は増額される傾向にあります。なお、不貞の影響で子どもが受ける精神的苦痛はかなり大きいですが、子どもからの慰謝料請求は基本的に認められていません。
- もともとの夫婦関係：夫婦生活が円満であればあるほど、夫婦関係に与えたダメージが大きいと判断されますが、逆に夫婦関係がすでに悪化していた場合、円満であった場合と比べればダメージが小さいと判断されます。
不貞行為で慰謝料請求をする際に必要な証拠
配偶者の不貞が発覚した場合には、不貞行為があったという確固たる証拠をつかんでおくことが大切です。何も証拠がないのに責任を追及しても、シラを切られてしまう可能性があるからです。
不貞行為を証明する証拠として多いのは、不貞相手とのLINEやSNSでのやりとりです。肉体関係をもっていることが明らかな内容であることが重要になりますので、内容として十分かどうか不安な場合には、弁護士に確認してもらいましょう。
最近は、家族で共有されているクラウドやパソコンに、不貞の証拠になるような写真が保存されていて、不貞が発覚するというケースもあります。
これらの証拠の獲得が難しい場合、探偵に依頼することを検討しても良いかもしれません。ラブホテルに出入りしていたり、どちらかの自宅に宿泊したりといった写真を撮ることができれば、不貞の証拠になります。
また、配偶者が不倫していたことを認めた書面や、自白を録音したものも有効な証拠になります。「いつ、だれとだれが、どこで、何をしていた」ということを詳細に記録したメモを作成してもらうと良いでしょう。内容が細かければ細かいほど、本人が書いたものであって嘘ではないだろうと判断されやすくなります。
（ただ、配偶者を問い詰めると、その後、探偵に依頼して調査をすることが難しくなる可能性が高いです。証拠確保のために、順番には十分に注意してください。）
慰謝料請求に入る前に知っておくべき事
慰謝料の請求前に知っておくべきことがありますので、これをご紹介していきます。
1回の不貞行為での慰謝料の請求は難しい
実は不貞行為に関して慰謝料を請求しようとした場合、1回だけの不貞行為では慰謝料を請求しても高額にはならない可能性があります。
それまで円満な夫婦生活を送っていた夫婦の場合、1回の不貞では婚姻関係への影響が少ないという考えられてしまう可能性があるからです。
婚姻関係がすでに破綻していた場合には慰謝料の請求は難しい
不貞行為による慰謝料請求は、その行為が夫婦関係を悪化させ、精神的な苦痛を与えたことを理由に認められます。
そのため、夫婦関係がもともと破綻していた場合には認められません。
まとめ
不貞行為による慰謝料請求の相場や有効な証拠に関する解説は以上となります。慰謝料の請求自体はご自身でも可能ですが、証拠があっても相手がすんなりと請求に応じないこともあります。そんなときには、一人で抱え込まずに、弁護士に相談してみてください。
