養育費の未払いに困ったら

離婚をするときに養育費を支払うと取り決めをしたのに、途中から未払いになってしまう方はかなり多いです。統計上も、養育費の取り決めを行って離婚する方は全体の40パーセント程度ですが、受給できているのは25パーセント程度になっています。

離婚後、継続して養育費の支払いを受けることができている家庭は25パーセント程度しかないという事実は、ひとり親家庭の貧困問題を引き起こしている大きな要因のひとつと言えます。

離婚協議書などの書類できちんとで養育費について取り決めをして、必ず払ってもらえると思っていても、実際には養育費が不払いになってしまうことが珍しくありません。
「まさか払ってもらえなくなるとは思わなかった」と落胆し、諦めてしまったり、対応を考えるための時間やお金をかけることができていないケースが多くあります。

しかし、あきらめずに、然るべきところに相談して行動すれば、養育費を受け取ることができるようになるケースも多くあります。

今回は、養育費未払いが発生したときにどこに相談すればよいのかを解説していきます。

養育費の未払いが起きた時の3つの相談先

養育費の未払いが起きたときの相談先として、このコラムでご紹介するのは、以下の3つです。

・養育費等相談支援センター
・弁護士
・法テラス

養育費等相談支援センター

シングルマザーの貧困問題に関して、国や地方自治体も問題視しており、こども家庭庁の委託事業として、養育費未払いに対して相談に応じるための事業『養育費等相談支援センター』が設置されています。

『養育費相談支援センター』では、親の離婚によって子どもたちが貧困に陥ることがないよう、面談・電話・メールで養育費の全般的な相談に応じています。

ただ、相談できる内容はあくまでもアドバイス程度になり、具体的な解決策や法律相談はできません。

「養育費未払い」という問題を解決するには、まずは一歩目を踏み出してみることが非常に大事です。
最初は、相談のハードルが低いこの『養育費等相談支援センター』に連絡をして、事情を相談してみましょう。
まず悩みとして、「どうすればよいのかわからない」「話を聞いて欲しい」というようなものを相談しやすいと思います。
相談することで、ご自身のケースで次に相談した方が良い場所を紹介してもらえたり、良い解決策が得られる場合があるでしょう。

弁護士

養育費をできる限り確実に回収したい場合には、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

なぜなら、養育費の未払い問題に効果的に対応するためには、裁判所の手続きを利用する必要がある場合が多いからです。自分で対応可能なのか、弁護士に依頼した方が良いのかという点を検討するためにも、まずは専門家に相談して手続きの全体像を確認してみましょう。

裁判所の手続きとして、具体的には、調停・審判、強制執行手続などを行うことが効果的であることが多いですが、どのように進めたら良いかは、ケースによって異なります。ご自分のケースでどうすればよいのか具体的なアドバイスも貰えます。

今の時代、インターネットで情報を検索することも可能ですが、実際に自分のケースにどの情報が当てはまるのか、判断が難しい場合があります。時間を有効に使うためには、弁護士に事情を伝えて解決策を仰ぐのが良いと思います。さまざまな離婚のパターンを熟知している弁護士であれば、これまでの解決事例を例に挙げて、解決の方法を一緒に考えてくれるでしょう。

法テラス

養育費を受け取っていない状況で、弁護士費用を支払う余裕がないという方も少なくないと思います。そんなときは、国が出資している司法支援センターである「法テラス」への相談も検討してみてください。

条件を満たせば無料で法律相談もできますし、弁護士費用を無利子で立替えてもらえる制度も利用できます。

法テラスの利用方法としては、以下の2つがあります。

❶ 法テラスの事務所で法律相談を受ける

  地域ごとに法テラスの事務所がありますので、検索をして連絡をすれば相談の予約をとることができます。法テラスで法律相談を受ける場合には、担当の弁護士に相談することになり、弁護士を選ぶことができないので、その点には注意が必要です。

❷ 法テラスの制度を利用可能な弁護士を探して相談する

弁護士によって、法テラスの制度を利用できる弁護士とそうでない弁護士がいます。相談してみたい弁護士がいる場合には、法テラスの利用が可能なのかどうかを確認してみましょう。

 

養育費の問題は、お子さんの将来にも関わる問題です。もし養育費の支払いがあり、子どもの希望する習い事をさせてあげられたら・・・お子さんの将来が少し変わってくるかもしれません。

離婚した相手と関わることに前向きになれないのは当然です。

しかし、養育費の回収は必ずしも自分でやらなければならないわけではありません。簡単にあきらめてしまったり、ひとりで悩まずに、まずは相談できそうなところに相談してみましょう。

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