モラハラ夫との離婚について
モラハラ夫との離婚を考えている場合、離婚は簡単ではないとある程度覚悟することが必要になります。
その理由のひとつとして、まず、モラハラ夫は、家の外では良い人と見られているケースが珍しくありません。例えば、会社では人間関係が良好であったり、PTAなどに積極的に参加し、周りから良いイメージを持たれているなどです。そのため、モラハラによる精神的な苦痛を周りに理解してもらうのが難しい状況が発生してしまうことがあります。
また、モラハラ夫は、なかなか離婚を承諾したがらない傾向があるようです。そのため、残念ながら、長期戦になる可能性は高いと言えます。
しかし、別居をすれば精神的にはかなり楽になります。また、別居を続ければ、離婚はできます。
モラハラ被害を受ける状況から抜け出し、明るい人生を歩んでいくための方法をお伝えしたいと思います。
専門家や公的機関の助けを求める
モラハラの被害を受けているときは、精神的に弱っています。そのため、一人で離婚の手続きを進めていくことが困難であることが多いです。
ただでさえ、離婚のプロセスは精神的な負担がかかりますが、モラハラの被害を受けていて、その加害者を相手に交渉をしていくことは、とてもしんどいものです。
一人で進めることにこだわらず、弁護士事務所や公的機関へ相談に行くことをお勧めします。そして、話し合いの進め方や話し合いで決めておくべき事項について、事前にしっかりと知識を得ておきましょう。
離婚は「配偶者と別れて別々に暮らすだけ」という単純なものではありません。慰謝料・財産分与・養育費・子どもとの面会など、決めておかなければならない重要事項があります。
また、話し合いで離婚ができたとしても、約束した内容についてきちんとした文書に残しておかないと、後からそんなことは言っていないと言われてしまう可能性があります。
さらに、別居をするにも弁護士や公的な機関に相談しておいた方が安心でしょう。被害者からすると別居は身を守るための手段だとしても、モラハラ夫が、「妻が勝手に家を飛び出した」、同居義務違反だと言ってくる可能性があります。
相手の言動に惑わされず、安心して協議を進め、後悔しない離婚をするために、早めに専門家に相談をして準備をするようにしましょう。
証拠を集める
基本的に、日本では、双方が合意すればすぐに離婚することができます。ただ、どちらかが合意しない場合には、最終的に、裁判所が離婚を決めるまで離婚できないことになります。特に、モラハラ夫は離婚に同意したがらないというのも特徴のひとつにあるようです。そのため、モラハラ夫と離婚する場合には、離婚調停や離婚訴訟を行い、裁判所の手続きで離婚を成立させなければならない可能性があります。
裁判所の手続きで離婚するためには、証拠があると有利です。モラハラの証拠としては、以下のようなものがあります。
・診断書や通院履歴
例えば、モラハラによって精神的にも身体的にも体調不良に陥り、医師の診察やカウンセリングを受けているのであれば、診断書を書いてもらったり通院履歴を残してもらいましょう。
・相談記録
警察や女性相談センターに相談をしておくと、何かあったときの備えになったり、気持ちが楽になるだけでなく、後でモラハラについて相談を重ねていたことの証拠として記録を提出することができます。
・日時とともに言われたことされたことを日記に残す
日記に日時とともに言われたこと、されたこと、自分がそのときに思ったことなど、夫から受けたモラハラについて細かく記録するのも有効です。壁に穴があいたり、なにか物が壊されたのであればその状態を撮影しておくことも証拠のひとつになります。後で作成したものであると言われないように、携帯のメモの機能やメールの機能を利用する等して、日時が編集できないタイプのもので記録をとるのがお勧めです。
・音声記録、動画を残しておく
スマホのアプリなど、ボイスレコーダーで音声記録を残すのも証拠となるでしょう。ただしモラハラ夫はこのようなことに敏感です。音声記録を残すときは、モラハラ夫にバレないように慎重に行ってください。
・LINEやメールの内容
LINE等の内容がモラハラである場合には、その記録をしっかりと残しておきましょう。文面を見るのが嫌になって、消してしまいたくなると思いますが、重要な証拠になります。見るのが辛い場合には、テキスト化したものを転送しておく等しても良いので、記録を消してしまわないようにしてください。
もし自分がモラハラを受けているのかわからなくなってしまっている場合には、モラハラ加害者のチェックリストと配偶者の行動を比較してみたり、新聞やネット記事などに載っているモラハラが原因の離婚事例などを自身の被害内容と照らし合わせてみてもいいでしょう。