浮気は犯罪になる??


浮気・不貞は犯罪になるの?法的な位置づけ

浮気・不貞行為の法的位置づけ

相談に来られた方から「浮気は犯罪ですよね?」と聞かれることは少なくありません。

確かに、昭和初期までは姦通(かんつう)罪の定めがあり、不貞行為は犯罪として扱われ、江戸時代では両者死罪の重罪だったようです。また、当時は、被害者の夫が妻の不貞現場に立ち会った場合、妻と肉体関係を持った相手を殺害しても罪に問われなかったようです。この姦通罪は、第二次世界大戦後の昭和22年刑法改正によって廃止になりました。

現代でも、この姦通罪と同様の制度がある国は残っているようで、ナイジェリア、フィリピン、アメリカの一部等では犯罪になるようです。また、イスラム国家では、昔の日本のように重罪として扱われていて、死刑になる場合もあるようです。

現代日本における不貞行為の法的解釈

民法上の根拠

浮気の証拠について

注意しなければいけないのが、今の日本で被害者に認められている離婚請求や慰謝料請求をするときに、証拠が大切ということです。相手が認めればよいのですが、認めない場合には、裁判所に判断してもらう必要があります。そのときには、証拠がないと、被害者の請求が認めてもらえないのです。

有効な証拠となるもの

以下のようなものがあると良い証拠となるでしょう。

・浮気相手とパートナーが、ラブホテルに出入りしている写真や動画

・パートナーと浮気相手の肉体関係があることがわかるLINEのやり取りや手紙

・パートナーと浮気相手の肉体関係があることがわかる写真

慰謝料請求の具体的な流れ

慰謝料の簡単な請求手順としては以下の通りです。

1、まず証拠を集めましょう。証拠を集めていることが相手に知られると証拠を隠されてしまいます。ばれないように集めましょう。

2、証拠を集めた後、離婚をするのか、しないのか、これからをどうしていくのかを決めましょう。

3、弁護士に相談しましょう。もちろん証拠の集め方がわからなければ、証拠を集める前に弁護士に相談することも可能です。弁護士から、良い探偵を紹介してもらうことも可能かもしれません。

4、最終的にどのような方法で請求するのかを決めていきましょう。話し合いで決められる場合もあります。

まとめ:不貞行為の法的な位置づけと対応

現在の日本の法律上では、「不貞行為」は、①被害者側からの離婚請求が認められる離婚事由と②慰謝料(損害賠償)請求の対象となる違法行為にはなりますが、犯罪にはならないということです。

ただ、不貞行為については、日本でも昔は犯罪行為であったことや、現在も犯罪行為として扱っている国があることからも、被害者の精神的な苦痛が相当なものであることがわかりますよね。

不貞行為は、犯罪行為にこそなりませんが、パートナーを裏切る行為となり、相手の心を傷つける行為となります。もし婚姻関係を結んだ相手以外と結ばれたい場合は、きちんと手順を踏んだ上で結ばれましょう。

森上未紗 弁護士
(愛知県弁護士会所属)

弁護士(弁護士法人ハレ名古屋支所)

離婚問題・相続問題に注力しています。年間離婚相談件数120件以上。「依頼者の気持ちを上向きに」精神面でもサポートし、笑顔あふれる未来に導けるように寄り添って対応いたします。

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